注意点は？京都移住の前にチェックしておきたいこと

覚悟と柔軟性が必要

京都での暮らしには魅力も多い一方で、観光都市ならではの課題や地域性に対する理解が求められます。理想だけでなく現実的な側面も踏まえた上で、柔軟に対応できる心構えが大切です。

交通アクセス

京都市内は観光客が多く、人気スポットの清水寺や嵐山周辺は常に混雑しています。観光シーズンや通勤時間帯にはバスが満員となり、地元住民の移動に支障をきたすこともあります。また、車での移動も渋滞が多く、平日でも裏道が混雑することもあります。そのため、「市内は自転車が最も快適な移動手段だ」と感じている人もいます。

夏の暑さと冬の寒さ

京都の気候は極端で、夏は蒸し風呂のように暑く、冬は底冷えするほど寒い環境です。盆地特有の気候で風が通りにくいため、夏は熱中症のリスクも高まります。7月の祇園祭の時期には、和服姿の観光客が倒れる光景がよく見られます。冬は雪こそ少ないものの、肌に刺さるような寒さを感じます。自転車で移動する際は防寒対策が必須でしょう。

生活圏に観光客が入り込む煩わしさ

京都には歴史的な建造物が数多く残されており、国内外から多くの観光客が訪れています。そのため、観光シーズンやイベント時には市内が混雑します。こうした賑やかさを好む人や、混雑の影響を受けにくい自転車を使う人はあまり気にならないかもしれませんが、静かな環境で落ち着いて過ごしたい人はストレスを感じる場面が多いでしょう。
さらに、観光地の近くに住むと、日常の買い物や食事の場面でも観光客と空間を共有することになります。混雑によって行列ができたり、価格が観光地仕様になっていたりと、生活の中で煩わしさを感じることもあります。特に、地元住民向けというより観光客向けに設定された価格帯の店舗が多いエリアでは、日々の暮らしに必要なものを購入するだけなのに割高になってしまい、負担を感じることもあります。

物価と家賃の高さ

京都市内の物価は全体的に高めです。ローカルのスーパーもありますが、全国展開しているスーパーと比べると価格帯が高い印象です。地下鉄の運賃も全国トップクラスの高さで、日常の移動コストがかさみます。景観条例による高さ制限や土地不足により、賃貸住宅も大阪より家賃が高めに設定されています。

京都独特の人間関係

「京都人はいけず（意地悪）」という言葉を耳にすることがありますが、特に中京区や上京区などの中心部に長く住む人にその傾向が見られます。京都では本音を表に出さない文化が根付いていることもあり、距離感をつかむのが難しいと感じる人もいますが、どの地域にも人間関係の難しさはあります。あまり過度に心配する必要はないでしょう。